ビジネスの研究に熱心な皆さまであれば、きっと一度は“DRM”という3文字のアルファベットを目にした記憶があると思います。これはダイレクトレスポンスマーケティングの略であり、情報の受け手となるターゲットに返信させるためのマーケティング手法を指す言葉です。ほぼ大半の広告が一方的に情報を投げつけるだけである反面、DRMであればターゲットからの返信が期待できるようになるわけですから、事業者の皆様としてはとても興味深いマーケティング手法といえるでしょう。
通常のマーケティングとDRMはまったく異なる思考が要求されます。通常のマーケティングの場合には提供するサービスや商品がどれほど優れたものであるのかについてアピールする内容となりますが、DRMはどうすれば案内書を受け取った人が封を開くのか、目を通し始めるのか、最後まで読み進めるのか、問い合わせをしてくるのか、というターゲットの行動面を意識するマーケティング手法です。
上記のようなDRMとは、いわば営業マンの思考に近い展開をイメージすれば、よりわかりやすいかもしれません。より具体性ある小さなきっかけを突破口として、顧客の行動を促し、商談へと結び付けていくのです。例えば、洗剤を売り込もうと思ったとき、「いい洗剤がありますので、ぜひお試しください!」とターゲットに話しかけたところで、大した興味を得られないでしょう。しかし、「ここの油汚れをすぐ落とせる洗剤があるので、ちょっと試してみませんか?」とした場合、先ほどとは比べ物にならないほどの数のターゲットが実際に試してみる流れとなるでしょう。
お客さんの問題解決に向けて具体的な提案をし、自分の提供する商品やサービスへのアクションを引き出したところで、さらに一歩進もうとするDRMの考え方は、今日のネット上に氾濫するランディングページをいくつも閲覧してみれば、よりコツが掴めるでしょう。きっとそれらに目を通していると、提供されている商品やサービスがどのようなものであるのかイマイチわからないが、なんとなく試してみようかという気分になっている自分に気づくだろうと思います。
さまざまな手法でターゲットへのアプローチが可能となった今日だからこそ、溢れる通常マーケティングに埋もれてしまわないよう、事業者は自分なりのDRMを完成させることが急務となっているのです。