アートディレクターという役割について、皆様はどれほどご存知でしょうか。あるデザインを担当する際、そこに集うグラフィックデザイナーや、コピーライター、プランナー、フォトグラファーなど、それぞれがアーティストに他ならず、その一人ひとりが素晴しいセンスを持っているため、単純に集めるだけでは何事も前に進んでいかないものです。そこで、それらのプロフェッショナルに方向性を支持するのが、他ならぬアートディレクターという存在なのです。つまり、デザインの全体像を取り仕切るのがアートディレクターといえます。
アートディレクターの存在は、クライアントに大きなメリットがあるといえるでしょう。クライアントには必ずそれなりのイメージがあるものであり、それを具現化したいという思いこそデザインの依頼に他なりません。では、そのデザインを上記のグラフィックデザイナーや、コピーライター、プランナー、フォトグラファーそれぞれに伝えたとしても、おそらくそこに寄せられるのは方向性の一致しない成果物ばかりとなってしまうはずです。しかし、クライアントと各プロフェッショナルとのあいだにアートディレクターが入ることで、クライアントの意向を一貫して汲み取ってアウトプットする流れができあがるため、当所のコンセプトに沿ったデザインの具現化が可能となります。
では、どのような人物がアートディレクターと名乗っているのかといえば、デザイナーとしてキャリアを積み重ねてきた人物だけが、その立場となれるのです。アートディレクターは、デザインの現場で数多くの経験をして、全体を把握し、指揮する力を持っていなければなりません。しかも、個性豊かなプロフェッショナル集団をまとめなければならないのですから、その一人ひとりが納得できるキャリアを持っている人物でなければなりません。
以上に目を通していただければ、アートディレクターという人物に支払うこととなるディレクション費用についても、その額とともに発生して当然だと納得していただけるのではないでしょうか。ディレクション費用とは、クライアントそれぞれが思い描くイメージを具現化するために、アートディレクターがあれこれと動くための対価そのものであり、プロフェッショナルが一丸となってクライアントのためのデザインを完成させるための手数料に他ならないのです。