インターネットで印刷を注文する場合、オフセットまたはオンデマンド印刷という言葉をよく目にしますが、技術発達によりこれらの印刷の仕上がりはほとんど差がなくなってきています。それぞれの印刷特徴やコスト面でもメリットとデメリットはありますが、今回は拡大写真を用いながらオフセット、オンデマンドの違いを比較してみましたので、これから印刷を検討されている方は是非参考にしてみてください。
書籍や雑誌などの大部数印刷ならほぼこの方式で印刷が行われています。油性顔料インクを使用し、印刷を行います。4色の版を作成、用紙に直接印字せず、ブランケットと呼ばれる部分にインクを転写しながら印刷を行うことからオフセット「離して(OFF)付ける(SET)」と呼ばれています。カットされた用紙に印刷を行う枚葉機とロール紙を用いる輪転機、大きくこの2種類のオフセット印刷機があります。枚葉機は高品質な仕上がりで雑誌や写真集に適している特徴があります。それに比べ輪転機は枚葉機と比べて若干解像度が低いものの高スピードで大部数印刷が行えるため、新聞やスピード仕上がりを重視した折り込みチラシ印刷などに適しています。どちらも印刷部数が増えると印刷単価が大きく下がるため大部数印刷に最適です。しかしながら印刷を行う際、必ず版制作が必要となり、1枚の印刷でも印刷を開始するまでの手間とコストがかかるから小ロット印刷にはあまり向いていません。
「必要な時に必要なだけ印刷をする」という印刷方法をオンデマンドと呼んでいます。小ロット印刷の需要が高まると同時にオンデマンドは一気に広まっていきました。主にコピー機と同じような印刷方式で、版を作らず直接用紙に印刷を行うことで初期コストを抑えて、小ロット印刷にも低価格で対応できるようになりました。
オンデマンドは大きくトナーとインクジェット印刷方式の2種類に分かれます。
トナー方式は感光体ドラムを用いてレーザーをあてることでトナーを吸着させ、用紙に転写していきます。高温度でトナーを溶かして用紙に付着させているため、仕上がった印刷物をアイロンなどの高温度のものに付着させてしまうと印刷が剥がれてしまいますが、高品質で、オフセット印刷とはほとんど仕上がりに違いはありません。オフセットに比べ着色部分は光沢感のある仕上がりが特徴です。
インクジェット方式では用紙に極小のインクを吹き付けて印刷します。インクジェットは写真を美しく印刷できる特徴があり、家庭用プリンタでも光沢写真用紙を用いれば業務用印刷機に劣らない高品質印刷が行えるため、年賀状や写真印刷に向いている印刷方式と言えます。インクジェットの弱点はインクコストが高いことと印刷にかかる時間にあります。ソルベントインクと呼ばれる溶剤系インクを使用した場合、乾燥にも時間がかかってしまい、大部数印刷には不向きですが、大版印刷は得意としていますので、現在も看板印刷はインクジェット印刷が主流となっています。
印刷方式 |
オフセット印刷 |
オンデマンド印刷 (レーザー式プリンター) |
オンデマンド印刷 (インクジェット式プリンター) |
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拡大写真 |
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特徴 | 「版」を使って、 転写を利用して印刷 拡大写真をレーザー印刷と見比べても印刷が鮮明で綺麗 |
「版」を使わずに、 トナーで印刷 オフセット印刷にはない光沢感のある仕上がりが特徴 |
「版」を使わずに、 インクを吹きつけて印刷 小ロット印刷には不向きですが、写真がきれいに印刷できます |
おすすめの枚数 | 100枚〜 | 1枚〜 | 1枚〜 |
対応サイズ | 名刺〜B1 | 名刺〜A3 | A2〜B0 |
比較画像を見ると圧倒的にオフセット印刷が綺麗に仕上がりますが、高度な印刷技術によりレーザー印刷でもオフセット印刷に近い色の再現できるため、その違いはほぼ感じられず、オンデマンド・オフセットのどちらも満足のできる印刷の仕上がりになります。しかしながらコスト面で大きな違いがあるため、小ロット印刷を行う場合はレーザー印刷またはインクジェット印刷を選ぶのが良いでしょう。大部数印刷なら圧倒的なコスト単価をおさえることのできるオフセット印刷を選択しましょう。看板や横断幕といった大判印刷ならインクジェット印刷がおすすめです。